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確定申告

自分は確定申告が必要?不要?「はい」「いいえ」の質問に答えるだけで確定申告の要否が簡単にわかります!

確定申告は必要なのかを解説します

結局自分は確定申告が必要なの?不要なの?色々調べてみたけど正直よくわからない…という方のために、簡単な質問に「はい」「いいえ」のどちらかに回答するだけで確定申告が必要な人、不要な人がわかる判定フローを作成しましたので是非ご活用ください!

確定申告要否判定フロー

質問に対して「はい」「いいえ」を回答するだけで確定申告要否がわかります!

以下の質問にご回答ください。

給与を受け取っていますか?

はい

給与の受け取りは1か所のみですか?

はい

給与所得および退職所得以外の所得(※)の金額の合計額が20万円を超えていますか?

※所得は売上ではなく、いわゆる「利益」になります。ざっくりとしたイメージになりますが、1,000円で仕入れた商品を1,800円で売却した場合の所得は800円(1,800円-1,000円)になります。

正直よくわからない…という方はお問い合わせフォームから個別にお問い合わせいただければご回答差し上げます。

はい

確定申告が必要です。

いいえ

給与の年間収入金額が2,000万円を超えていますか?

はい

確定申告が必要です。

いいえ

同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っていますか?

はい

確定申告が必要です。

いいえ

災害減免法により源泉徴収額の徴収猶予や還付を受けていますか?

はい

確定申告が必要です。

いいえ

源泉徴収義務のない者から給与等の支払いを受けていますか?

はい

確定申告が必要です。

いいえ

退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなりますか?

はい

確定申告が必要です。

いいえ

給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超えますか?

はい

確定申告が必要です。

いいえ

給与の年間収入金額が2,000万円を超えていますか?

はい

確定申告が必要です。

いいえ

同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っていますか?

はい

確定申告が必要です。

いいえ

災害減免法により源泉徴収額の徴収猶予や還付を受けていますか?

はい

確定申告が必要です。

いいえ

源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けていますか?

はい

確定申告が必要です。

いいえ

退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなりますか?

はい

確定申告が必要です。

いいえ

公的年金等の雑所得はありますか?

はい

公的年金等の収入金額の合計額(2カ所以上ある場合は、全部の合計)が400万円以下ですか?

はい

公的年金等の全部が源泉徴収対象ですか?

はい

公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下ですか?

いいえ

確定申告が必要です。

いいえ

確定申告が必要です。

いいえ

確定申告が必要です。

いいえ

退職所得はありますか?

はい

源泉徴収されていますか?

はい

各種の所得の合計額(譲渡所得や山林所得を含む。)から、所得控除を差し引いた場合に残額がありますか?

はい

上記の残額に所得税の税率を乗じて所得税額を求め、配当控除額を差し引いた場合に残額ありますか?

はい

確定申告が必要です。

いいえ

確定申告が必要です。

いいえ

各種の所得の合計額(譲渡所得や山林所得を含む。)から、所得控除を差し引いた場合に残額がありますか?

はい

上記の残額に所得税の税率を乗じて所得税額を求め、配当控除額を差し引いた場合に残額ありますか?

はい

確定申告が必要です。

確定申告が不要でも確定申告をした方が良い場合

確定申告は不要ですが、確定申告をした方が良い場合を説明しています。

上記で確定申告が不要と判定された場合でも、確定申告をした方が良い場合も存在します。下記では、そのようなケースをご紹介しますので、自分が当てはまるか確認しましょう!

① 年の途中で退職し、その年転職せず年末調整を受けていない場合

給与所得者は毎月の給与やボーナスの金額から、本人が納めるべき所得税を概算で徴収されています。年末調整は年間の給与の合計から正しい所得税を計算することであり、年末調整を受けなかった場合は、源泉徴収された税金が本来の税金と比較して納めすぎになっている可能性があります。

(参考)国税庁_No.1910 中途退職で年末調整を受けていないとき

② 住宅ローンを利用して住宅の新築・取得等を行った場合(住宅ローン控除など)

一般的には住宅ローン控除と呼ばれることが多いですが、正式名称は「住宅借入金等特別控除」になります。一般的に「住宅ローン控除」と呼ばれています。13年間にわたり、住宅ローン残高の0.7%について、その年の所得税の税額控除を受けることができます。余談になりますが、2022年の税制改正で10年間1%だったものが、現行の13年間0.7%に改正されました。

なお、住宅ローン控除を受ける初年度のみ確定申告が必要になり、2年目以降は年末調整で還付を受けることが可能です。

また、認定住宅を新築・取得を行った場合や、省エネ基準適合住宅を取得した場合なども適用可能になりますので、詳細は下記の国税庁HPをご確認ください。

(参考)国税庁_マイホームを持ったとき

③ 年末調整時に漏れがあった場合(生命保険料控除など)

年末調整の際に生命保険料控除について1社漏れていた、扶養人数が誤っていた場合など、確定申告をすることによって正しい税額を計算することが可能になります。

(参考)国税庁_令和5年分 年末調整Q&A

④ 年末調整後に家族構成等が変わった(結婚や扶養親族)場合

所得税法では、その年の12月31日の現況で控除対象扶養親族などの判定を行うことになっています。そのため、年末調整を行った後からその年の12月31日までの間に、結婚して配偶者控除の対象になる、扶養親族の数が変わるなどの変更があった場合は、確定申告をすることにより正しい税額を計算することが可能になります。

(参考)国税庁_No.2671 年末調整の後に扶養親族等の人数が異動したとき

⑤ 年間10万円を超える医療費を支出した場合(医療費控除)

その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費の合計額が10万円(総所得金額等が200万円未満の場合は、その5%)を超える場合は、医療費控除の対象となります。医療費控除は年末調整の対象外となっていることから、医療費控除を受けたい場合は確定申告をする必要があります。

また、医療費については自分の医療費のみならず、生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った額も合わせて申告することが可能です。医療費控除は所得控除になることから、家族の中で一番所得の高い方が医療費控除を行うと還付金が最も高くなります。

なお、上記との選択適用になりますが、ドラッグストア等で特定一般用医薬品等を購入した場合に使用できるセルフメディケーション税制もありますので、金額の大きい方を選択いただくことをおすすめいたします。

しかしながら、医療費控除を行うことにより少なからず税金が還付されることになりますが、年間の医療費が10万円を少しだけ超える場合は、還付額が少額となります。したがって、手間をかけて確定申告を行う労力と還付額を比較して、労力の方が大きいであれば確定申告しないのも一つの方法になります。

(参考)国税庁_No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)

⑥ 災害や盗難で資産に損害を受けた人(雑損控除)

雑損控除は災害・盗難・横領によって資産が損害を受けた場合において、一定の金額を所得から控除することができます。雑損控除も医療費控除と同様に年末調整の対象外となっていることから、雑損控除がある場合は確定申告をする必要があります。

なお、災害を受けた場合はNo.1902 災害減免法による所得税の軽減免除との選択適用になることから、有利な方を選択するようにしましょう。

(参考)国税庁_No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)

⑦ 特定の寄付をした場合(寄付金控除)

数年前から一気に知名度が上がったふるさと納税や、国・地方自治体などに寄附をした場合になります。こちらも医療費控除や雑損控除と同様に、年末調整の対象外となっていることから、寄付金控除を受けるためには確定申告をする必要があります。

しかし、ふるさと納税を行った場合で、ワンストップ特例制度を利用した場合には確定申告は不要になります。ワンストップ特例制度を利用場合は、所得税からの控除ではなく、寄付金額-2,000円が全額住民税から控除されることになります。

(参考)国税庁_No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)

⑧ 事業所得や不動産所得などが赤字の場合

事業所得や不動産所得のみの個人事業主の方は、年間の所得であった場合は納めるべき税金がゼロになりますので、確定申告は不要になります。

しかしながら、赤字であったとしても確定申告をすることにより、翌3年間の間に所得が生じた場合は、当期の赤字と相殺して将来の税金を少なくすることが可能な「純損失の繰越」を利用することが可能です。

なお、当該純損失の繰越は、青色申告をすることが要件となっていますのでご留意ください。

(参考)国税庁_No.2070 青色申告制度

まとめ

確定申告が必要か不要かについてのまとめになります。

上記のとおり、確定申告の要否は個人ごとの状況において様々なパターンが考えられることから、丁寧な検討を行い判断することが重要になります。そして、確定申告が不要な場合でも、確定申告を行うことにより税金が還付されるケースも多いため、該当する場合は確定申告することをオススメいたします。

なお、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超えおらず、確定申告が不要だった場合は「所得税」に対する確定申告は不要ですが、「住民税」に対する申告は必要な場合もありますので、お住いの自治体にご確認ください。

もし、上記のフローに当てはまらず、確定申告の要否がわからないという方は、お問い合せフォームから個別にお問い合わせいただければご回答差し上げます。

※こちらの記事は2024年3月6日時点の情報となりますのでご留意ください。
※また、板橋区の奥村公認会計士税理士事務所では、税務顧問や確定申告、節税に関するご相談も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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