こちらが一番大きなメリットになるかと思いますが、月次決算を行うことにより現時点での経営成績をタイムリーに把握することが可能になります。

売上高から売上原価を引いた売上総利益（粗利）については、肌感覚で大体今月はこれぐらいかな？という認識はあると思います。しかし、売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた営業利益については、予測するのは難しいのではないでしょうか。

毎月の経営成績を適時に把握することにより、想定より利益が多く出ているのであれば早めの節税対策を実施することが可能になります。逆に、想定よりも利益が少ないのであれば、不要な経費を削減することにより利益を確保する戦略に移行することができます。

次に、融資を受けている金融機関に定期的に試算表を提出することにより、会社に対する信頼度が大幅に上昇します。金融機関は、貸した資金の元本の回収可能性及び利息を収受するにあたり、現在の融資先の財政状態や経営成績がどのような状況なのか、とてもに気になっています。

そのため、定期的に試算表を提出している融資先と、試算表を全く提出しない融資先とを比較した場合、定期的に試算表を提出している融資先に対しては、確実に月次決算を実施し試算表を共有してくれることから、会社に対する信頼度は大幅に上がり追加の融資も受けやすくなります。

一方で、試算表を提出しない融資先に対しては、会社の状況も全くわからないことから、毎月の返済実績等で会社の評価を実施することになり、信頼度はそこまで増加しないことでしょう。

前項に関連する事項になりますが、新規融資を受けようとする場合、直近の試算表が必要になります。新規融資を受けたいと考えているということは、当然ですが近々で資金が必要になっているからということが多いかと思います。

そのような中、提出する直近の試算表が前期決算のものしかなく、１年近く前のものだった場合どうでしょうか？
会社は生き物と言いますし、1年近くも経過しているのであれば前期末から状況は大きく変わっていると考えられますので、そのような古い試算表では適切な融資判断を行うことができません。

一方で、月次決算を適時に実施している場合は、すぐに前月分の試算表を提出することが可能になり、金融機関側も適切な融資判断が可能となるとともに、適時に月次決算を実施している会社というイメージアップさせることが可能になります。